2021/12/28
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相続手続の負担を軽減できる?「法定相続情報証明制度」とは |
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相続登記の申請手続をはじめ、被相続人名義の預金の払戻し等、様々な相続手続には、一般的に、法定相続人を確定するために被相続人が生まれてから亡くなるまでの書類をはじめとする多くの戸籍関係の書類が必要となりますが、相続手続を取り扱う各種窓口に提出するために、何度も同じ書類を揃えなければならず(あるいは、提出した戸籍関係の書類の原本が還付されるのを待たなければならず)、また、相続手続を担当する部署では戸籍の束から相続人を確実に捕捉するために多くの労力を費やす必要があります。 そこで、平成29年5月29日から全国の登記所で始まったのが「法定相続情報証明制度」です。この制度を利用すれば、登記官が内容を確認して交付された一覧図の写しにより法定相続人が一目瞭然となるほか、一覧図の写しは複数枚の交付を受けることができるため、相続手続に係る相続人及び手続の担当部署双方の負担が大きく軽減されることが期待できます。 相続手続の負担を軽減できる?「法定相続情報証明制度」とは
1.法定相続情報証明制度とは 法定相続情報証明制度とは、相続人が登記所に対し、被相続人が生まれてから亡くなるまでの戸籍関係の書類をはじめとする必要な書類と、被相続人の氏名、最後の住所、最後の本籍、生年月日及び死亡年月日並びに相続人の氏名、住所、生年月日及び続柄の情報を記載した一覧図(以下、「一覧図」と言います。)を提出することにより、登記官が上記の内容を確認し、認証文付きの一覧図の写しを交付する制度です。 2.法定相続情報証明制度の利用場面 法定相続情報証明制度は、所有者不明土地問題や空き家問題の大きな一因とされている相続登記の未了状態を抑止し、相続登記を促進するために創設されたものですが、その利用場面は相続登記手続に限られず、被相続人の死亡に起因する「その他の手続」も想定されています。 一覧図の写しの提供をもって戸除籍謄抄本の提供に代えることができることを法定しているものには、不動産登記手続や相続税の申告手続、年金等手続がありますが、その他の手続における利用について相続があったことを証する情報として取り扱うかはそれぞれの提出先の任意です。しかし、被相続人名義の預貯金の解約手続や株式の相続手続など、実際にも様々な場面で活用されています。 3.申出の手続の流れ (1)必要書類の収集 一覧図の保管及び交付の申出書には、申出人又はその代理人が記名するとともに、一覧図をはじめ、以下の各書面を添付しなければなりません。 なお、同一の申出人が,同一の登記所に対して同時に2件以上の申出を行う場合において,必要書類のうち各申出に共通する書類については,1通のみ提出いただくことで差し支えありません。 ① 被相続人の出生時から死亡時までの戸除籍謄本 除籍又は改製原戸籍の一部が滅失等していることによりその謄本が添付できない場合は、当該謄本に代えて「除籍等の謄本を交付することができない」旨の市町村長の証明書を添付することで差し支えありません。また、市町村の取扱いにより当該証明書が発行されない場合は、市町村の担当者が「交付不能」の文言を記載した除籍等の謄本の交付請求書をもって代替することで差し支えありません。 これに対し、例えば被相続人や相続人が日本国籍を有しないなど戸除籍謄抄本の全部又は一部を添付することができない場合は、一覧図の保管及び交付の申出をすることはできませんので注意が必要です。 また、兄弟姉妹が相続人となる場合は、被相続人の父母の出生時から死亡時までの戸除籍謄本が必要となります。 ② 相続開始時における相続人の戸籍謄抄本 相続人の戸籍の謄本、抄本又は記載事項証明書に有効期限はありませんが、被相続人の死亡日よりも後に発行されたものでなければなりません。これは、一覧図が被相続人の死亡時点の相続人を表すものであるからです。 ③ 被相続人の最後の住所を証する書面 被相続人の最後の住所を証する書面とは、被相続人に係る住民票の除票や戸籍の附票が該当します。もし、これらの書面が市町村において廃棄されているため発行されないときは、申出書への添付を要しませんが、この場合、申出書及び一覧図には、被相続人の最後の住所の記載に代えて被相続人の最後の本籍を記載する必要があります。 このような取扱いは、令和元年6月19日までは住民票の除票や戸籍の附票の除票の保存期間が「消除された日から5年間」とされており、保存期間経過後は自治体の判断によっては廃棄されてしまうこともあったからです。なお、令和元年6月20日からは、これらの除票の保存期間は150年となっています。 ④ 一覧図に相続人の住所を記載したときは、その住所を証する書面 この書面には、住民票や戸籍の附票が該当しますが、印鑑証明書でも差し支えありません。もっとも、相続人の住所は一覧図の任意的記載事項ですので、相続人の住所の記載をしない場合は、相続人の住所を証する書面の添付は不要です。 なお、相続人の住所を証する書面と、下記⑥の申出人の氏名・住所を確認する書面を1通の住民票記載事項証明書で兼ねることも可能です。ただし、申出人の氏名・住所を確認する書面は申出人に返却されませんので、申出人が当該書面の返却を求めるときは、当該住民票記載事項証明書の写しも添付する必要があり、さらに、この場合の写しには、申出人が「原本と相違がない」旨を記載し、記名をする必要があります。 ⑤ 申出人が相続人の地位を相続により承継した者であるときは、これを証する書面 この書面には、当該申出人の戸籍の謄抄本又は記載事項証明書が該当しますが、上記①及び②の書面により申出人が相続人の地位を相続により承継したことを確認することができるときは、別途の添付は必要ありません。 ⑥ 申出書に記載されている申出人の氏名及び住所と同一の氏名及び住所が記載されている市町村長その他の公務員が職務上作成した証明書 この書面には、住民票記載事項証明書や運転免許証又は健康保険証の写しなどが該当します。この場合の写しには、申出人が「原本と相違がない」旨を記載し、記名をする必要があります。登記官はこれらの書面によって申出人の本人確認を行うこととなります。 ⑦ 代理人によって申出をするときは、代理人の権限を証する書面 一覧図の保管及び交付の申出は、代理人によって申出をすることが可能ですが、その場合には、代理人の類型に応じて代理人の権限を証する書面が必要となります。なお、代理人になることができるのは、法定代理人のほか、①民法上の親族、②資格者代理人(弁護士、司法書士、土地家屋調査士、税理士、社会保険労務士、弁理士、海事代理士及び行政書士)です。
(2) 添付書面が不足している場合 添付書面が不足している場合、登記官は、申出人又は代理人に不足している添付書面を伝え、一定の補完期間を設けてその添付を求めることとなります。ここで、添付書面の不足が補完されない場合、申出人又は代理人に対し、申出書及び添付書面を返戻する旨が通知されるとともに、窓口において返戻を受ける場合はそのための出頭を、送付によって返戻を受ける場合は必要な費用の納付をすることになります。これらの求めにも応じない場合は、申出があった日から起算して3か月を経過した後、登記官は当該申出書及び添付書面を廃棄することができるとされています。 (3)法定相続情報一覧図の作成 一覧図には、被相続人に関しては、その氏名、生年月日、最後の住所及び死亡の年月日を、相続人に関しては、相続開始時における同順位の相続人の氏名、生年月日及び被相続人との続柄を記載する必要があります。また、申出人の任意により、相続人の住所を記載することもできますが、記載する場合は、相続人の住所を証する書面が必要になります。なお、最後の本籍は、被相続人については記載することが推奨されていますが、相続人の本籍は記載事項ではありません。 また、一覧図には作成の年月日を記載し、一覧図を作成した申出人又はその代理人が記名する必要がありますが、押印は不要です。 なお、一覧図の作成に当たっては、次の事項を踏まえる必要があります。 ① 被相続人と相続人とを線で結ぶなどし、被相続人を起点として相続人との関係性が一見して明瞭な図によって作成します。ただし、被相続人及び相続人を単に列挙する記載としても差し支えありません。 ② 被相続人の氏名には「被相続人」と併記します。 ③ 相続手続での利便性を高める観点から、被相続人の「最後の住所」に並べて「最後の本籍」も記載することが推奨されています。なお、被相続人の最後の住所を証する書面が市町村において廃棄されているため発行されないときは、被相続人の最後の住所の記載に代えて被相続人の最後の本籍を記載する必要があります。 ④ 相続開始の時における同順位の相続人の氏名等を記載します。被相続人の死亡日以前に子が死亡したことにより直系尊属又は兄弟姉妹が相続人となった場合は、子の氏名等の記載は不要です。また、数次相続が生じている場合には、被相続人死亡後に死亡した相続人を被相続人とした一覧図を別に作成する必要があります。 ⑤ 被相続人との続柄の表記については、戸籍に記載される続柄を記載します。被相続人の配偶者であれば「夫」や「妻」、子であれば「長男」、「長女」、「養子」などとします。ただし、続柄の記載は、あくまで被相続人との続柄である必要がありますので、戸籍に記載される続柄では表記することができない場合があります。例えば、被相続人の兄弟姉妹が相続人である場合は「妹」や「弟」とし、代襲相続がある場合であって被相続人の孫が代襲相続人となる場合は「孫」と記載することになります。なお、申出人の任意により、被相続人の配偶者が相続人である場合にその続柄を「配偶者」としたり、同じく子である場合に「子」としたりすることも差し支えありません。 ⑥ 申出人が相続人として記載される場合、一覧図への申出人の記名は、当該相続人の氏名に「申出人」と併記することに代えて差し支えありません。 ⑦ 一覧図の作成をした申出人又は代理人の記名には、住所を併記します。なお、作成者が資格者代理人である場合は、住所については事務所所在地とし、併せてその資格の名称をも記載します。 ⑧ 相続人の住所を記載する場合は、当該相続人の氏名に当該住所を併記します。 ⑨ 推定相続人の廃除がある場合、その廃除された推定相続人の氏名、生年月日及び被相続人との続柄の記載は不要です。 ⑩ 代襲相続がある場合、代襲した相続人の氏名に「代襲者」と併記します。この場合、被相続人と代襲者の間に被代襲者がいることを表すこととなりますが、その表記は、例えば「被代襲者(年月日死亡)」とすることで足ります。 ⑪ 一覧図は、日本工業規格A列4番の丈夫な用紙をもって作成し、記載に関しては明瞭に判読できるようにします。 (4)申出書の作成 一覧図の保管及び交付の申出は、以下に掲げる事項を記載した申出書を提供してする必要があります。なお、一覧図の保管及び交付の申出書は、法務省のホームページに掲載されている「法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出書」又はこれに準ずる様式によらなければなりません。 ① 申出人の氏名、住所、連絡先及び被相続人との続柄 申出人を複数の相続人とする、いわば共同申出をすることは可能です。この場合は、申出書に別紙を付すなどして、申出人の表示を列挙する方法により記載します。 ② 一覧図の保管及び交付の申出を代理人によってする場合は、当該代理人の氏名又は名称、住所及び連絡先並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名 なお、申出人の法定代理人又はその委任による代理人にあってはその親族若しくは資格者代理人に限られます。 ③ 利用目的及び交付を求める通数 なお、登記官は、申出書に記載された利用目的が被相続人の死亡に起因する登記その他の手続に係るものであり、その提出先が推認できることを確認することとなります。したがって、単に「相続手続に必要なため」と記載されただけでは提出先を推認することができませんので、例えば「株式の相続手続」「遺産分割調停申立のため」など、提出先が推認できる程度の具体的な記載が求められます。交付を求める通数については、登記官が、その利用目的に鑑みて合理的な範囲内であることも確認することとなりますので、無制限に何通も交付請求できるわけではありません。 ④ 被相続人を表題部所有者又は所有権の登記名義人とする不動産があるときは、不動産所在事項又は不動産番号 被相続人を表題部所有者又は所有権の登記名義人とする不動産が複数ある場合には、そのうちの任意の一つを記載することで足ります。しかし、被相続人を表題部所有者又は所有権の登記名義人とする不動産の所在地を管轄する登記所に申出をする場合には、当該登記所の管轄区域内の不動産所在事項又は不動産番号を記載する必要があります。 ⑤ 申出の年月日 申出の年月日が、登記所における一覧図の写しの作成基準日となります。ただし、郵送による申出の場合は、申出書に記載した日ではなく、登記所が申出書及び添付書面を受領した日が申出日となります。また、申出書や一覧図に誤りがあったり添付書面に不足があったりした場合は、これらを補完した日に申出があったものとみなされることになります。そして、これらの日付が、一覧図の写しに付記される認証文における「申出のあった日」となります。 ⑥ 送付の方法により一覧図の写しの交付及び添付書面の返却を求めるときは、その旨 (5)法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出 ① 申出人 登記名義人等について相続が開始した場合において、その被相続人の死亡に起因する登記その他の手続のために必要があるときは、その相続人又は当該相続人の地位を相続により承継した者(いわゆる数次相続が生じている場合の相続人)は、一覧図の保管及び交付を申し出ることができます。 したがって、例えば法律上の婚姻をしていない内縁の妻は相続人ではないため、一覧図の保管及び交付の申出を行うことはできません。また、被相続人又は相続人の債権者などの利害関係人も、一覧図の保管及び交付の申出を行うことはできません。 ここで「その他の手続」とは、その手続の過程において相続人を確認するために戸除籍謄抄本の提出が求められるものをいい、例えば筆界特定の申請や地図等の訂正の申出のみならず、金融機関における預貯金の払戻手続等も想定されています。 以上のように、一覧図の保管及び交付の申出は、被相続人の死亡に起因する登記その他の手続のために必要があるときでなければすることができず、単に遺産分割協議の参考資料として利用する場合や相続関係説明図そのものを作成する目的の場合には、一覧図の保管及び交付の申出をすることはできません。 ② 管轄 一覧図の保管及び交付の申出は、①被相続人の本籍地、②最後の住所地、③申出人の住所地又は④被相続人を表題部所有者若しくは所有権の登記名義人とする不動産の所在地を管轄する登記所の登記官に対してすることができます。登記官は、専ら申出書に記載された情報や添付書面に基づき、これらの登記所のいずれかに該当することを確認します。 また、数次相続においてそれぞれの相続に係る申出先登記所が異なる場合(例えば、一次相続においてその被相続人Aが所有権の登記名義人となっている不動産を管轄する甲登記所に申出をしようとしたときに、併せて申出をしようとする二次相続の被相続人Bについては、上記①~④のいずれの申出先登記所にも甲登記所が当たらない場合など)は、各次の相続に係る申出を同時にする場合に限り、一次相続(又は二次相続)に係る申出先登記所で二次相続(又は一次相続)に係る申出をすることができるものと取り扱われています。 ③ 申出の方法 なお、一覧図の保管及び交付の申出は、これらの登記所に出頭してするほか、送付の方法によってすることもできます。 ④一覧図の保存 登記官は、申出人から提供された申出書の添付書面によって確認した法定相続情報の内容と、一覧図に記載された法定相続情報の内容とが合致していることを確認したときは、一覧図の写しの作成のため、電磁的記録に記録して一覧図を保存します。 この際、被相続人の氏名に誤字・俗字が用いられている場合は、これを正字等(原則として通用字体)に引き直して電磁的記録に記録されます。 4.法定相続情報一覧図の写しの交付 (1)一覧図の内容の確認 登記官は、申出人から提供された申出書の添付書面によって法定相続情報の内容を確認し、その内容と一覧図に記載された法定相続情報の内容とが合致していることを確認したときは、一覧図の写しを交付します。 また、一覧図の写しには、申出に係る登記所に保管された一覧図の写しである旨の認証文が付され、作成の年月日及び登記官の職氏名が記載され、職印が押印されます。 (2)一覧図の訂正 添付された一覧図の記載に、その他の添付書面から確認した法定相続情報の内容と合致していないなどの誤りや遺漏がある場合、登記官は、申出人又は代理人にその内容を伝え、速やかに当該一覧図の誤り等を訂正させ、清書された正しい一覧図の添付を求めることとなります。提供された申出書に誤りがある場合も同様です。 一覧図の訂正については、何字削除何字加入などのいわゆる「見え消し」の方法による訂正は認められず、新たに作成し直すか、修正テープ等により修正する必要があります。
(3)一覧図の写しの作成 一覧図の写しは、偽造防止措置が施された専用紙を用いて作成されます。また、一覧図の写しには「これは、令和○年○月○日に申出のあった当局保管に係る法定相続情報一覧図の写しである。」との認証文が付記され、登記官の職氏名が「○法務局(○地方法務局)○支局(○出張所)登記官○○」と記載されます。さらに、「本書面は、提出された戸除籍謄本等の記載に基づくものである。相続放棄に関しては、本書面に記載されない。また、被相続人の死亡に起因する相続手続及び年金等手続以外に利用することはできない。」との注意事項も付記されます。 この注意書きについては、以前は、「…相続手続以外に利用することはできない。」と記載されていたところ、令和2年10月26日より法定相続情報証明制度の利用範囲が年金等手続へも拡大されたことに伴って変更されたものです。 なお、一覧図の誤り等を補完させた場合は、その補完がされた日が申出のあった日とみなされます。同様に、不足している添付書面を補完させた場合は、当該添付書面の発行がいつであるかにかかわらず、不足している添付書面が補完された日が申出のあった日とみなされます。 (4)一覧図の写しの交付及び添付書面の返却 登記官は、一覧図の写しを交付するときは、申出の際の添付書面を申出人に返却することとなります。この一覧図の写しの交付及び添付書面の返却は、申し出をした法務局の窓口で受け取るほか郵送によることもできます。なお、もし一覧図の写し又は添付書面を申出人又は代理人が受け取らない場合は、申出があった日から起算して3か月を経過した後、登記官はこれを廃棄することができます。 5.法定相続情報一覧図の写しの再交付の申出 (1) 再交付の申出 当初の申出において申出人となった者とその相続人に限り、一覧図の写しの再交付の申出をすることができます。 なお、当初の申出人以外の相続人は、再交付の申出をすることはできません。当該相続人が一覧図の写しの交付を受けたい場合には、別途、一覧図の保管及び交付の申出をする必要があります。なお、この場合、当初の申出人から再交付の申出に係る委任を受けて申出をすることは可能です。 (2)再交付申出書 再交付の申出は、法務省のホームページに掲載されている「法定相続情報一覧図の再交付の申出書」又はこれに準ずる様式による申出書によらなければなりません)。 (3)再交付申出書の添付書面 再交付申出書には、次に掲げる書面の添付を要します。 ①再交付申出人の氏名・住所を確認することができる公的書類(運転免許証や健康保険証のコピーや住民票の写しなど。これらのコピーの場合は再交付申出人の原本証明が必要になります。) なお、当初の申出人の相続人が再交付の申出をするときは、さらに、相続人であることを証する書面(戸除籍謄抄本等)の添付が必要です。 また、当初の申出において提供された申出書に記載されている申出人の氏名又は住所と再交付申出書に記載した再交付申出人の氏名又は住所とが異なる場合は、その変更経緯が明らかとなる書面の添付も必要となります。 ② 代理人によって申出をするときは、代理人の権限を証する書面 6.法定相続情報に変更が生じた場合の再度の申出 法定相続情報一覧図つづり込み帳の保存期間中に戸籍の記載に変更があり、当初の申出において確認した法定相続情報に変更が生じたため、その申出人が再度一覧図の保管及び交付の申出をしたときは、登記官はこれに応じることとなります。この申出があったときは登記官は、以後、当初の申出に係る一覧図の写しを交付することができません。 なお、この場合の変更とは、被相続人の死亡後に子の認知があった場合、被相続人の死亡時に胎児であった者が生まれた場合、一覧図の保管及び交付の申出後に廃除があった場合など、被相続人の死亡時にさかのぼって相続人の範囲が変わった場合を指します。したがって、一覧図が一旦保管された後に相続人の一人が死亡した場合などについては、法定相続情報に変更が生じたものとしては取り扱われません。 |
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