2025/1/20
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【令和7年4月21日施行】検索用情報の申出について |
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令和7年4月21日以降にする所有権移転等の登記の申請について、所有者となる方の氏名・住所のほかに、氏名のフリガナ・生年月日・メールアドレスを申し出ることになります。 ![]() 【令和7年4月21日施行】検索用情報の申出について
1.所有者の住所等の変更登記の義務化と「検索用情報」の提供 令和8年4月1日から、不動産の所有者は、氏名・住所に変更があった日から2年以内に変更登記をすることが義務付けられるとともに、この義務の負担軽減のため、所有者が変更登記の申請をしなくても、法務局の登記官が住基ネット情報を検索し、これに基づいて職権で登記を行う仕組みが開始します。 ただし、登記官が所有者の住基ネット情報を検索するためには、所有者から氏名・住所のほか、生年月日等の「検索用情報」をあらかじめ申し出る必要があります。 そこで、上記の職権で登記を行う仕組みを開始するに先立って、令和7年4月21日から、所有権の保存・移転等の登記の申請の際には、所有者の検索用情報を併せて申し出ることが必要となります。 なお、令和7年4月21日日時点で既に所有者として登記簿に記録されている場合も、検索用情報を申し出ることができるようになります。 2.同時に検索用情報の申出をする必要がある登記申請の種類等 (1)検索用情報の申出が必要な登記 所有権の登記名義人となる申請人が、検索用情報を申請情報の内容として申し出る必要があるのは以下の登記の申請をする場合です。 ① 所有権の保存の登記 ② 所有権の移転の登記 ③ 合体による登記等(不動産登記法第49条第1項後段の規定により併せて申請をする所有権の登記があるときに限ります。) ④ 所有権の更正の登記(その登記によって所有権の登記名義人となる者があるときに限ります。) なお、所有権の登記名義人となる者が次のいずれかに該当する場合には、検索用情報を申し出ることはできません。 ① 法人である場合 ② 海外居住者である場合 ③ 登記の申請人でない場合(代位者等が登記申請をする場合が該当します。) (2)検索用情報の内容 申し出る検索用情報の具体的な内容は、次のとおりです。 ① 氏名 ② 氏名のフリガナ ③ 住所 ④ 生年月日 ⑤ メールアドレス 申請情報の内容とされたメールアドレスは、申出手続が完了した際や登記官が職権で住所等変更登記を行うことの可否を所有権の登記名義人に確認する際に送信する電子メールの宛先となるものです。このため、代理人による申請の場合を含め、登記名義人となる者本人のみが利用しているメールアドレスを申請情報の内容とする必要があります。 もし、登記名義人となる方のメールアドレスがない場合には、その旨を申請情報の内容とすることとなる予定とされています。なお、その場合、登記官が職権で住所等変更登記を行うことの可否を確認する際には、登記名義人の住所に書面を送付することが想定されています。 余談ですが、当初、法務省のホームページに掲載されていた申請書の記載例にはメールアドレスにフリガナが振られており、某SNSではそのことに対する同業者の辛辣なコメントが散見されました。それを受けてかどうかは分かりませんが、いつの間にか法務省のホームページの当該箇所が変更され、手書きで書面申請をする場合のみフリガナが必要で、それ以外の場合にはフリガナは不要ということになりました。 3.令和7年4月21日時点で既に所有権の登記名義人である者がする検索用情報の申出 令和7年4月21日時点で既に所有権の登記名義人である方は、別途、検索用情報の申出をすることができます。 この申出は、令和7年4月21日以降、Webブラウザ上で簡易に行うことができるようになる予定とされています。 4.おわりに 検索用情報を申請情報の内容とすることによって、所有権移転等の申請時の負担は増えてしまいますが、この申出を済ませておけば、住所等変更登記が義務化された後も義務違反に問われることがなくなるとされているため、便利な制度だといえるでしょう。
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