2022/8/3

SFCG(旧商工ファンド)の根抵当権設定仮登記を抹消したい!どうすればいい?

株式会社SFCG(旧株式会社商工ファンド)は、かつて存在した日本の貸金業者で、主に事業者向けローン(事業者金融)・手形割引等を扱っていましたが、令和元年12月18日に破産手続、破産管財人業務が終了し、同年12月20日付けで登記が閉鎖されました。つまり、現在は存在していない会社です。
 
SFCGから過去に借入をしていたり、(連帯)保証人となったりしたという方の不動産にはSFCGが根抵当権設定仮登記という担保権をつけているケースがありますが、現在でも、この仮登記が残っている場合、抹消するためにはどのようにすればよいのか解説します。
 
 
 
 
SFCG(旧商工ファンド)の根抵当権設定仮登記を抹消したい!どうすればいい?
 
 
目次
1.仮登記とは
2.SFCGの仮登記の抹消方法
3.おわりに
 
 
 
1.仮登記とは
 
 
仮登記というのは、将来行われる本登記のために、あらかじめ登記上の順位を確保しておくための登記です。「仮」の登記とはいえ、いずれ本登記となる可能性のあるものですので、第三者を牽制する効果も少なからず期待できるうえに、根抵当権の仮登記の登録免許税が不動産1個につき1,000円と、本登記をするときの登録免許税(極度額の1000分の4)に比べて安いというメリットがあります。
 
 
 
2.SFCGの仮登記の抹消方法
 
 
SFCGを根抵当権者とする根抵当権の仮登記が設定されている不動産について、その抹消登記をするためには根抵当権者であるSFCGから抹消登記に必要な書類を発行してもらう必要があります。しかし、上記のとおりSFCGは既に存在しておらず、書類を再発行する権限を有する者も存在しません。
 
この場合、根抵当権の仮登記を抹消するためには裁判上の手続を行う必要があります。具体的には、特別代理人選任の申立と同時に根抵当権設定仮登記抹消の裁判を行い、その裁判で「根抵当権設定仮登記抹消登記手続きをせよ」という判決をもらって抹消登記を行うことになります。
 
裁判所は、不動産所在地を管轄する地方裁判所ですが、裁判は、自分で行うか、弁護士に依頼することになります。自分で行う場合、裁判が開かれるときには、裁判所に行く必要がありますが、弁護士に依頼すれば、本人に代わって弁護士が裁判をすべて行ってくれます。なお、裁判を司法書士に依頼することもできますが、その内容は裁判所に提出する書類の作成と提出のみとなり、裁判所で本人の代理人となることはできません。
 
裁判では、おおよそ次の費用がかかります。
 
裁判の申立時に裁判所に支払う手数料・・・不動産の評価価格によって決まります。
 
特別代理人に対する費用・・・約10万円となることが多いようです。
 
このほか、裁判を弁護士に依頼したり、司法書士に裁判書類の作成や提出を依頼する場合には、別途、その費用がかかります。
 
 
 
3.おわりに
 
 
裁判上の手続は、どうしても時間がかかってしまいますので、後に不動産の売買を控えているような場合には、スケジュールにも影響が出る可能性があります。その時になって慌てないで済むよう、早めの対応が望ましいでしょう。