2023/4/9
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遺言書を作っておくことでどんなことができるの? |
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相続を取り扱ったドラマなどでおなじみの遺言。「ゆいごん」などとも言われていますが、法律上は「いごん」と言うことが多いです。 遺言なんて、お金持ちがやることだと思いがちですが、そんなことはありません。 日本の法律では15歳以上であれば、1人で有効な遺言書を作ることができるとされていますす。 また、相続に関する親族間での揉め事は、「争続」や「争族」などと揶揄されることがあるように、一度トラブルになるとその後の関係に深刻な影響が残ってしまう可能性もあります。遺言書を作っておくことで、このようなトラブルを予防、または最小限に抑えることも期待できます。 ところで、遺言書には一体何を書けばいいと思いますか?
遺言書を作っておくことでどんなことができるの?
1.遺言とは 遺言とは、遺言者が亡くなった後に一定の効果を発生させることを目的として、遺言者が単独で、法律で定められた方式で行う最終の意思決定のことです。 遺言を残しておくことで、自分の死後に起こるであろう財産の処分などの法律行為に対しても、自分の意思を反映させることができるということです。 2.遺言には何を書けばよい? 遺言を残すことで、自分の死後にもその意思を反映させることがきるようになりますが、その範囲は法律によって定められています。それは、遺言が遺言者の一方的に単独で行うことのできる意思表示であるため、その範囲を無制限に認めるとすれば、利害関係人に与える影響は非常に大きく、無用な混乱を招くことにもなりかねないからです。 そこで、民法やその他の法律によって、遺言に法的な意味を持たせることができる内容が決められています。これを「法定遺言事項」と言います。 3.法定遺言事項 法定遺言事項は、大きく4つに分けることができます。 (1)相続に関すること (2)遺産の処分に関すること (3)身分に関すること (4)遺言の執行に関すること 以下、それぞれについて具体的な項目を挙げます。 (1)相続に関する事項 ① 共同相続人の相続分の指定、または第三者への指定の委託 ② 遺産の分割方法の指定、または第三者への指定の委託、および遺産の分割禁止 ③ 遺産分割における共同相続人間の担保責任の定め ④ 推定相続人の廃除、または廃除の取り消し ⑤ 特別受益の持ち戻しの免除 ⑥ 遺留分侵害額請求の負担方法の定め (2)遺産の処分に関すること ①遺贈 ②生命保険の保険金受取人の変更 ③財団法人を設立する意思の表示 ④信託の設定 (3)身分に関すること ① 認知 ② 未成年後見人、未成年後見監督人の指定 (4)遺言の執行に関する事項 ①遺言執行者の指定、又は第三者への指定の委託 ②祭祀を主宰すべき者の指定 4.付言事項 ところで、以上のように「法的に意味を持たせることができる」ものがある一方で、その反対に「法的には意味を持たない」ものがあります。 法的に意味を持たない内容は「付言事項」と言われるものです。 ここには、例えば、遺言書を書くに至った理由、ご家族へのメッセージや葬儀・納骨などに対する希望などを記載します。法的に意味はないのであれば書く必要はないと思われるかもしれませんが、法律に縛られることなく、比較的自由に書くことができるからこそ、遺言者の気持ちをストレートに伝えることができます。 遺言書は、どうしても遺産に関する内容が中心となることが多く、ともすれば無味乾燥な印象を与えてしまいがちです。自分が亡くなった後に相続人の間でトラブルが起こらないことを願って遺言書を作ったのに、むしろそれが原因となって、遺された方々の間で誤解やトラブルが生じるとしたら、それは決して望んだことではないはずです。亡くなられた方の思いや気持ちを伝え、その最期の意思が尊重されるためにも、この付言事項を書くことは大切なことだと思います。 また、葬儀や納骨に対する希望、臓器提供についての考え、遺品の処分方法など遺された方々が困らないように方向性を示しておくことも非常に意義のあることです。 5.おわりに 遺言がない場合、法律で決められたとおりに相続することになります。このことは一見、平等であるかのように見えますが、例えば、一部の相続人だけが親の面倒を見たような場合など、個々のケースにおいては必ずしも平等な結果にはならないケースもあります。また、相続人の一部が行方不明なために遺産分割協議をすることが困難となり、円滑な相続手続に支障が出るケースもあります。このような場合に備えて遺言書を作っておくことは、非常に有効な手段であると言えるでしょう。 また、自分が生涯をかけて築き上げ、守ってきた財産を有効・有意義に活用してもらうためにも遺言書を作っておくことは非常に意義のあることです。 こういった点からも、遺言について一度じっくり考えてみてはいかがでしょうか。 |
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