2023/4/30

不動産の登記簿謄本を請求する際の注意点!地番?家屋番号?住所と違うの?

 
 
相続登記を行う際には、申請書に土地や家屋といった不動産の情報を記載するために、法務局に備え付けられている登記簿謄本(登記事項証明書)を取得することになります。
 
登記事項証明書を請求する際には、請求しようとする不動産の所在や地番、家屋番号を特定する必要があります。普段から法務局を利用している人であれば、あまり意識することはないかもしれませんが、そうでない方にとってややこしいのが「地番」や「家屋番号」といったあまりなじみのない言葉です。その言葉の意味が分からず、住所をそのまま伝えてしまうと「該当する土地や建物がない」と言われてしまう場合もあります。
 
そこで今回は、登記事項証明書を請求する際に伝えるべき不動産の地番や家屋番号について説明します。
 
  
 
 
 
不動産の登記簿謄本を請求する際の注意点!地番?家屋番号?住所と違うの?
 
 
 
目次
1.登記事項証明書とは?
2.地番や家屋番号と住所は違うの?
3.地番や家屋番号の調べ方
 
 
 
1.登記事項証明書とは?
 
 
登記事項証明書とは、簡単に言うと、法務局にある「登記記録(登記簿)」の内容を証明した書面のことです。不動産の登記に関する情報が記載されており、例えば、どのような形状をした不動産なのか、その不動産の所有者はどこの誰なのか、その不動産に対して誰がどんな権利をもっているのかといった情報が記載され、一般公開されています。
 
登記事項証明書は、請求しようとする土地や建物の所在地を管轄する法務局だけでなく、全国の法務局で取得することができます。具体的な取得方法には①法務局の窓口で請求書を提出する方法②法務局に郵送で請求する方法③オンラインで交付請求する方法がありますが、電話で請求することはできません。
 
 
 
2.地番や家屋番号と住所は違うの?
 
 
登記事項証明書は土地や建物の所在や地番、家屋番号を特定して請求するのですが、地番や家屋番号はいわゆる住居表示(住所)とは異なることに注意が必要です。
 
地番とは、土地を特定するために一筆の土地ごとに付けられた番号のことです。家屋番号も地番と同様、建物を特定するための番号のことで、基本的には建物が建っている土地の地番が付けられています。
 
それに対し、住居表示(住所)は住居(建物)に対して割り振られた番号で、「町名」「街区番号」「住居表示」によって構成されている場合が多いです(例:〇〇町〇丁目〇番〇号)。住居表示は、宅配便や郵便物の送付先として普段の生活で使われているため、非常になじみ深いものですが、登記事項証明書を取得する際には、住居表示では土地や建物が特定できず、取得することができないこともあります。あらかじめ、請求しようとする不動産について地番や家屋番号を確認しておくようにしましょう。
 
登記事項証明書(全部事項証明書)の見本
 
 
 
なお、住居表示はすべての市町村で導入している訳ではないため、地域によっては地番と住所の表示が同じという場合もあります。
 
 
 
3.地番や家屋番号の調べ方
 
 
地番や家屋番号の調べ方ですが、次のような資料で確認することができます。
 
権利証(登記済証・登記識別情報通知書)
権利証の中には「不動産の表示」という欄がありますので、そこに記載されている所在、地番、家屋番号を確認します。ただし、権利証が発行されてから時間が経過していると、市町村の合併や土地区画整理事業などの理由で、当時の表示と現在の表示が異なる場合もありますので注意が必要です。
 
 
固定資産税納税通知書
市役所から毎年送られてくる固定資産税納税通知書には、課税対象となっている不動産の表示が記載されていますので、その所在、地番、家屋番号を確認します。また、市役所で「名寄帳」という書類を請求することで、その市町村内に所有している不動産の一覧表を見ることができますので、それで確認することもできます。
 
 
ブルーマップ(住居表示地番対照住宅地図)
ブルーマップとは、住宅地図に地番情報を重ね合わせたもので、内容が青色で印刷されているため、ブルーマップと呼ばれています。請求しようとする土地や建物を管轄する法務局に備えつけられており、住居表示から地番を調べることができますが、発行されていない地域もあります。
 
 
法務局に電話で問い合わせる
上記のとおり、請求しようとする不動産の所在地を管轄する法務局であればブルーマップが備え付けてありますので、電話で照会する方法もあります。どの法務局でもいいわけではありませんので、先に管轄法務局を調べてから(法務局ホームページ「管轄のご案内」)、電話をしましょう。
 
電話口で「地番照会をお願いします」と言えば、職員の方がうまく対応してくれますので、あとは住所や所有者の氏名などを伝えれば、地番・家屋番号を調べて教えてもらうことができます。ただし、この方法でも確実には分からない場合がありますので、権利証や固定資産税納税通知書で確認するのが最も確実ではないかと思います。
 
登記事項証明書を発行してもらうにも手数料がかかります。地番や家屋番号を間違えて無関係な登記事項証明書が発行されることにならないようにしましょう。