2023/8/2
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相続税の基礎控除について |
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相続に関して気になることの一つに相続税のことを挙げる人は少なくありません。どんな場合に相続税がかかるのか、相続税がかかるとしてどれくらいの額になるのかを把握しておくことは生前対策の必要性を判断するうえでも大切なことです。 今回は、相続税が発生するかどうかの基準である基礎控除について説明します。 相続税の基礎控除について
1.相続税の基礎控除とは 相続税とは、被相続人から受け取る遺産の総額が一定額以上だった場合に発生する税金のことです。つまり、相続が発生した場合に、必ず支払わなければならないものではなく、遺産の総額によっては相続税が発生しない場合があるということです。この被相続人から受け取る遺産の総額のうち、相続税がかからない一定の額のことを基礎控除といいます。 2.基礎控除の計算方法 基礎控除額の計算式は、以下の通りです。 相続税の基礎控除額=3,000万円+(600万円×法定相続人の数) 例えば、法定相続人が配偶者と子2人の計3人の場合の基礎控除は3,000万円+(600万円×3人)=4,800万円となり、ここでもし被相続人から受け取る遺産の総額が4,000万円だった場合には、相続税は発生しないことになります。 なお、被相続人から受け取る遺産の総額は、現預金や土地・建物といった不動産等の資産から、借入金や葬式費用などの債務を除いた金額となります。 被相続人から受け取る遺産の総額が基礎控除額以下であれば、相続税は発生せず、税務署への申告も不要です。 3.注意点 しかし、亡くなった時点での被相続人から受け取る遺産の総額が基礎控除以下であっても、以下のような場合には気を付ける必要があります。 ① 相続時精算課税制度を利用した贈与財産がある場合 ② 亡くなった日から前3年以内の贈与財産がある場合 相続人に対してこのような贈与がある場合には、被相続人から受け取る遺産に贈与された財産の額が加算されますので、これにより基礎控除額を超えてしまう場合もあるため注意が必要です。 4.おわりに 相続税が発生するか否かは、個々の相続のケースによって異なります。相続税が発生するケースであるにもかかわらず、何の手続もせずに期限を過ぎてしまうと、本来納める税金だけでなく加算税などのペナルティが発生することもあります。相続によって遺産を受け取る場合には、相続税が発生するのかどうかについて、専門家である税理士に相談することが望ましいでしょう。 |
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