2023/8/20
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「血族」と「姻族」、「直系」と「傍系」、「尊属」と「卑属」の比較 |
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民法では親族についてその範囲が定められていますが、その定義には「血族」や「姻族」といった日常ではあまり使われない言葉が使われています。また、民法にはそのほかにも「直系」と「傍系」、「尊属」と「卑属」といった言葉で親族を分類していますが、これらの言葉を知っておくことは相続の場面に限らず、婚姻や扶養などの生活の様々な場面でも理解が深まります。 そこで、今回は「血族」と「姻族」、「直系」と「傍系」、「尊属」と「卑属」といった親族の分類について解説します。 「血族」と「姻族」、「直系」と「傍系」、「尊属」と「卑属」の比較
1.「血族」と「姻族」 血縁関係にある人のことを「血族」といいます。さらに血族には、相互に生物学上の血縁関係にある「自然血族」と、法律の規定により血族とされる「法定血族」とがあり、前者の例としては、本人から見た親・子・祖父母・孫など、後者の例としては、養子縁組をした養親と養子があります。 一方、「姻族」とは義理の両親や義理の兄弟姉妹など、配偶者の一方から見た他方の配偶者の血縁関係にあたる人や、子の妻など、一方の配偶者の血族から見た他方の配偶者のことをいいます。 なお、血族に関する留意点として、婚姻関係のない男女の間に生まれた非嫡出子の場合、母親とは必ず血族になりますが、父親は生物学上の血縁関係があるにもかかわらず血族にはなりません。父親と非嫡出子が血族になるためには、子を認知することが必要となります。 2.「直系」と「傍系」 縦のラインで血がつながっている親族を「直系」といい、祖父母、親、子、孫などが該当します。簡単に言うと、本人から見て、親の親の親…、あるいは、子の子の子…、でつながる関係のことです。 一方、同じ祖先から枝分かれした横のラインで血がつながっている親族を「傍系」といい、具体的には兄弟姉妹や甥姪(同じ祖先である親から分かれている)、叔父叔母(同じ祖先である祖父母から分かれている)などが該当します。簡単に言うと、血はつながっているけれど親子関係で結ばれていない親族のことです。 3.「尊属」と「卑属」 父母や祖父母など自分より前の世代に属する者を「尊属」といい、子や孫など自分より後の世代に属する者を「卑属」といいます。 なお、自分と同世代の人には尊属と卑属の区別はなく、尊属と卑属の区別は血族に関するもので姻族にはこれらの区別はないとされています。 |
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