2024/1/30

相続放棄をした後に、代襲相続人となることはできる?

Q 昨年、父が亡くなりましたが、父には多額の借金があったため家庭裁判所で相続放棄の手続をしました。そして、つい最近のことですが父の父である祖父が亡くなりました。
 
父が祖父よりも先に亡くなっている場合、孫である私が父を代襲して相続人となると聞いたのですが、父の相続について相続放棄をした私でも代襲相続人になることはできるのでしょうか? 
 
A 父の相続放棄をしていたとしても、祖父の相続については父を代襲して相続人となります。
 
 
 
相続放棄をした後に、代襲相続人となることはできる?
 
 
民法939条では「相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす」と定められています。
 
例えば、令和3年に父Aが死亡し、その子Bが相続放棄をした場合、Aの相続について、Bは初めから相続人でなかったものとみなされます。
 
その後、令和5年にAの父である祖父Cが死亡した場合において、BがAの相続人にならなかったものとみなされるのであれば、BがAを代襲してCの相続人になることもないようにも思えます。
 
しかし、相続放棄によって、Bが初めから相続人とならなかったものとみなされるのは、あくまでもAの相続についてであり、Cの相続について相続人とならなかったものとみなされるわけではありません。

また、代襲相続について定められた民法第887条2項の規定を見ると、「被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき(中略)は、その者の子がこれを代襲して相続人となる。」とされています。
 
したがって、被相続人であるCの子であるAが、Cの相続開始前に亡くなっていれば、BはAの相続放棄をしていたとしても、この条文を根拠として相続人となることができます。
 
ちなみに、祖父C→父Aの順で亡くなった場合において、AがCの相続放棄をした場合、Aの子であるBは代襲相続人とはなりません。これは、代襲相続の発生原因は「死亡」「相続欠格事由該当」「廃除」の3つに限定されており、相続放棄が含まれていないからです。
 
少し話が逸れましたが、冒頭の質問に対する回答としては、父の相続を放棄した場合であっても、祖父の相続においては代襲相続人となることができるということになります。
 
このとき、祖父の相続も放棄しようとするのであれば、あらためて祖父の相続について相続放棄の手続をする必要があることに注意が必要です。