2024/5/24

【解決事例】死後3か月経過後の相続放棄の申述が受理されました。

 
【解決事例】死後3か月経過後の相続放棄の申述が受理されました。
 
行方が知れなくなっていた兄弟姉妹が亡くなり、行政からの通知でその事実を知った相続人が相続放棄をしないでいる間に、亡くなった日から3か月が過ぎてしまったということでご相談に来られました。
 
確かに、亡くなった日からは3か月を過ぎていたものの、行政からの通知を受け取った日からはまだ3か月を過ぎていませんでしたので、問題なく相続放棄の申述は受理されました。
 

相続放棄ができる期間は「自己のために相続の開始があったことを知ったときから3ヶ月以内」とされており(民法915条)、ここでいう「自己のために相続の開始があったこと」とは、「被相続人が亡くなったことと、それにより自分が相続人となったこと」を意味します。
 
一般的に、被相続人の配偶者や子などは被相続人が亡くなったことをその日のうちに知ることが多いと思いますが、この場合の3か月の起算日は被相続人が亡くなった日です。
 
しかし、行方が分からなくなってしまった家族が亡くなった場合に、すぐにはそのことが分からず、行政や警察からの連絡で初めて知ることもあります。
 
そのようなケースで、被相続人が亡くなったことを知った時にはすでに死後3か月を経過していることもあるかもしれませんが、この場合の「自己のために相続の開始があったことを知ったとき」は、行政や警察からの通知を受け取った日となりますので、そこから3か月以内に相続放棄をすればよいことになります。
 
なお、「自己のために相続の開始があったことを知ったときから3ヶ月以内」に相続放棄ができなかったとしても、一定の要件を満たしていれば相続放棄の申述が受理される場合がありますので、3か月を過ぎてしまっているからといってあきらめず、まずは相談してみることをお勧めします。