2024/6/16

配偶者が相続人となるためには?

 
 
配偶者が相続人となるためには?
 
 
相続は、被相続人の死亡によって開始しますが、このとき、相続人となるためには相続開始時、つまり被相続人の死亡時に相続人が存在していなければなりません。このことを相続における「同時存在の原則」といいます。
 
したがって、配偶者が被相続人の相続人となるためには、被相続人が死亡した瞬間にその配偶者でなければなりません。
 
夫婦関係は結婚(婚姻)によって始まり、「一方の死亡」または「離婚」によって解消しますので、被相続人が死亡する前に離婚していた場合には、もはや配偶者ではなく、相続人となることはありません。
 
なお、相続において配偶者といえるためには、戸籍上の配偶者、つまり法律上の配偶者である必要があります。
 
民法上、婚姻は戸籍法に従って届出をすることにより成立しますので、婚姻の届出を
しないと配偶者としての地位を得ることはできません。つまり、届出をしていない内縁の夫婦は互いに相続における配偶者ではなく、その一方が死亡した場合でも、他方が相続人となることはできないということです。
 
もし、この場合において内縁の相手に遺産を譲りたいのであれば、遺言書を作成しておくなどの方法が有効です。
 
ちなみに、事実上、夫婦共同生活の実態を備えている場合の内縁関係においては借家契約や年金受給権について、相続人に準じた権利を行使できる場合があります。