2024/6/23

住居表示実施に伴う住所変更登記の要否

Q.市役所から住居表示が実施され、「A市B町45番地」から「A市B一丁目2番3号」のように住所の表記が変わるとの通知がありました。この場合、自宅の土地や建物に登記されている所有者の住所について、住所変更の登記が必要でしょうか?

A.住所変更の登記が必要です。ただし、市町村の役場で発行された変更証明書を登記申請の際に添付すれば登録免許税がかかりません。
 
 
 

転居してないのに必要?住居表示が実施された場合の住所変更登記
 

従来、住所を表すには「土地の番号」である地番を使ってきましたが、土地の地番は、順序よく並んでいなかったり、土地の分筆や合筆により欠番が生じたりするため、時が経つにつれ場所が分かりにくくなったり、不便になってしまうことがあります。

住居表示制度とは,こうした住所の混乱や不便を解消するために、土地の地番を用いるのではなく,市街地の住居の表示を分かりやすく「街区番号」と「住居番号」を用いて表す制度です。

住居表示が実施されると、例えば「A市B一丁目2番3号」のように表されます。

ここで「街区番号」とは道路などで囲まれた一定の区域につけられた番号で、この例では「2番」のことをいいます。また、「住居番号」とは個々の建物につけられた番号で、この例では「3号」です。

このように、住居表示が実施されると、転居していないにもかかわらず、それまでの住所とは異なる表示になってしまいますが、このとき、所有している土地や建物などの不動産の登記簿上の住所まで自動的に変わるわけではありません。

したがって、登記簿上の住所を住居表示実施後の住所と一致させるために、所有権登記名義人住所変更登記を申請する必要があります。

登記申請書の書式や記載方法については、法務局のホームページで確認することができます。

なお、通常、引っ越しなどを原因とする住所変更登記をする場合、不動産1個につき1,000円の登録免許税が必要です。

しかし、住居表示実施により住所変更登記の場合、市区町村の役場で発行された変更証明書(例:住居表示実施証明書、住居表示変更証明書など)を登記申請の添付書類とすれば、登録免許税はかかりません。なお、その際には登記申請書の「登録免許税」の箇所に「登録免許税法5条4号」と記載するのを忘れないように注意しましょう。