2024/7/26

郵送請求キャッシュレスサービスって?

 
 
 
郵送請求キャッシュレスサービスって?
 
 
相続登記を申請する場合、原則として、被相続人の出生から死亡までの戸(除)籍謄本など相続人の戸籍が必要となります。
 
令和6年3月1日から、戸籍の広域交付制度(本籍地以外の市区町村の窓口でも、戸籍謄本等を取得できる制度)が始まったことにより、従来に比べると戸籍謄本等の取得は便利になりつつありますが、請求者本人が窓口まで行って請求する必要があったり、弁護士や司法書士、行政書士などが職権で請求することはできないなどの不便な点もあります。
 
また、広域交付制度も始まったばかりのためか、そのシステムに障害が発生し、広域交付ができない状態に陥ることもあり、まだまだ改善点は多く残っています。
 
 
 
 
このような事情から、本籍地が遠方にある場合の戸籍謄本等は、従来どおりその市区町村に郵送で請求することもあると思います。
 
しかし、戸籍謄本等を郵送請求する場合、手数料分の定額小為替を事前に購入したうえで、必要書類とともに市区町村に郵送する必要があるのですが、この定額小為替に関しては次のような注意点があります。
 
① 定額小為替が購入できるのは、ゆうちょ銀行又は郵便局の貯金窓口が開いている時間に限られる(土日の購入は不可)
 
② 券面額とは関係なく1通あたり200円の発行手数料がかかる
 
③ 定額小為替には発行日から6ヶ月の有効期限があり、有効期限が切れた場合は、郵便局で払戻しまたは再交付の請求を行う必要がある
 
④ 事前に何通分の定額小為替を用意すればよいか分からないため、もし不足があれば、その分を追加で購入して郵送する手間がかかる

上記のように、非常に手間や負担がかかることから、根本的な解決方法が望まれていましたが、令和6年4月1日より民間の会社が「郵送請求キャッシュレスサービス」というサービスを提供しており、すでにいくつかの市区町村では導入されています。
 
郵送請求キャッシュレスサービスは、住民票の写しや戸籍謄本等を郵送で請求する際の手数料をクレジットカードで支払うことができるサービスです。
 
このサービスを活用すれば、定額小為替の購入にかかる費用や手間を削減できるだけでなく、手数料が確定した後に市区町村から請求者に対して通知される金額をクレジットカードによって支払えばよくなることから、正確な料金を把握した上で支払いを行うことが可能となります。つまり、郵送請求時に送った定額小為替が不足していた場合に、不足分を再購入して郵送する手間が省けるということです。
 
さらに、システム上で手続きの進捗確認ができ、コメント機能を用いて請求者と市区町村で連絡を取ることが可能になるなど、非常に便利な機能も備えています。
 
まだ、導入されている市区町村の数は少ないようですが、今後、全国の市区町村でも導入されることに期待したいです。