2024/9/10
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監査役の会計監査限定の登記 |
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平成27年5月1日以降、監査役について、監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある場合、その旨が登記事項とされています。 ![]() 監査役の会計監査限定の登記
1.会計限定監査役の定めの登記をしなければならない場合 平成27年5月1日施行の改正会社法により、それまで登記事項とはされていなかった 「監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定め(以下、「会計限定監査役の定め」といいます。) が登記事項となり、該当する株式会社は上記の登記をしなければならないことになりました。 なお、特例有限会社については登記の必要はありません。 会計限定監査役の定めの登記をしなければならないのは、以下の(1)又は(2)に掲げる要件のすべてに該当する場合です。 (1)平成18年4月30日以前に設立された株式会社の場合 ① 資本金が1億円以下(平成18年5月1日時点で資本金が1億円以下であり、かつ最終の貸借対照表の負債の部に計上した金額の合計が200億円未満) ② 株式の全部に譲渡制限の規定がある(平成18年4月30日以前から現在まで) ③ 監査役の監査の範囲について、定款を変更していない(平成18年5月1日から現在まで) ④ 監査役会及び会計監査人を設置していない この場合、会計限定監査役の定めの登記を申請する際に次のいずれかの書面を添付します。 ・ 会計限定監査役の定めが記載された定款 ・ 別途作成した証明書(以下参照)
(2)平成18年5月1日(会社法施行日)以降に設立された株式会社又は平成18年4月30日以前に設立された株式会社で、かつ、平成18年5月1日以降に譲渡制限規定を設定した株式会社の場合 ① 株式の全部に譲渡制限の規定がある ② 監査役会及び会計監査人を設置していない ③ 会計限定監査役の定めがある。 この場合は、会計限定監査役の定めの登記を申請する際に次のいずれかの書面を添付します。 ・ 会計限定監査役の定めが記載された定款 ・ 当該定めを決議した株主総会議事録 2.会計限定監査役の定めの登記の申請時期 平成27年5月1日以降、最初に監査役の就任、重任又は退任の登記を申請する際に、会計限定監査役の定めの登記を申請する必要があります。この際の登録免許税は申請1件につき1万円(ただし、資本金が1億円を超える場合は3万円)となりますが、会計限定監査役の定めの登記は役員変更登記と同時に申請することができ、その場合の登録免許税は役員変更分のみで足り、追加の登録免許税は不要です。 3.注意点 「取締役等の会社に対する責任の免除に関する規定の登記」がされている場合に、「会計限定監査役の定めの登記」をする場合は、「取締役等の会社に対する責任の免除に関する規定の登記」の廃止又は抹消が必要となる場合があります。
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